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【11/16イベント開催】Multinational D&I for Borderless Japan イベントレポート 第1章(シリーズ全3章)

2021年11月16日、グローバル新卒プラットフォームJPort Matchを運営するSPeakが、3人のパネリストをお招きして人事・採用担当向けに「Multionational D&I (人種・国籍のダイバーシティ)」をテーマにZoomウェビナーにてパネルディスカッション形式で英語で開催されました。本記事は英語から翻訳しているため、パネリストの方々の呼称はfirst nameで表記しています。

イベント概要: 経営幹部やHR、ダイバーシティを推進する企業の方や、日本ではたらく・学ぶ全ての人に向けて、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の経験や知見を持つPaul McInerneyさん(Incubate Fund),、Hitomi Fujitaniさん(AWS)、そしてNaomi Yamakawaさん(Google Japan)を迎え、世界中の優秀なタレントに選ばれる国・会社になるために必要なことをディスカッションします。コロナ禍での具体的な取り組みからゲストのパーソナルな部分まで、素晴らしいゲストの方々に、JPort by SPeak corp. CEOのHiromiが、オープン&リアルをモットーにモデレーターとして迫ります。日系・外資・ベンチャー・メガベンチャーなど様々な企業の人事・採用に携わる社員様に多くご参加頂きました。Q&Aではたくさんのご質問を頂き、外国人採用やダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関する課題や具体的な施策についての情報共有が行われました。

今回のイベントでは、人種・国籍のD&Iをめぐる5つの議題について、非常に濃いディスカッションが行われ、企業人事や新卒採用担当だけでなく、日本社会全体への示唆が多く含まれていたため、記事を3章に分けて配信していきます。

本記事は、イベントレポート 第1章 です。

第1章では、パネリストについて〜パネリストのD&Iのルーツについてご紹介していきます。

パネリスト紹介

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Paul Mclnerneyさん - Incubate Fund 代表パートナー。1997 年にリクルートに⼊社し、デジタル事業の⽴ち上げとネット系企業のベンチャー投資を主幹。リクルート在籍時にメディオポート(オンラインゴルフ予約)の⽴ち上げに参画し、2002 年に楽天に事業を売却。 2002 年にリクルート からマッキンゼーに転職し、2007 年にパートナーに昇格し、2014年にシニアパートナー。アジア太平洋のマーケティング&セールスグループの責任者、アジア太平洋のアナリティクスグループの責任者、QuantumBlack Japan のマネージングパートナー、アジア太平洋の消費財・⼩売グループの責任者を歴任。 マッキンゼーにおいて⼩売、消費財、メディア、通信、⾦融、製薬の各業界の顧客に対して成⻑戦略やデジタル・AI、ブランディング、マーケティング、M&A の各領域における戦略と事業⽴ち上げの⽀援を実施。 2021年3月より、インキュベイトファンド代表パートナー就任。

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Hitomi Fujitaniさん - Amazon Web Services Japan、Employees Engagement & Internal Communications担当。大学卒業後、日系の証券会社を経て、英系・米系プライベート・エクイティ業界にて約10年間、オフィス・マネージャーとして人事・PR/IR・総務等の管理業務を統括その後、12年間米系投資銀行の人事部にて、採用・研修に加えて、女性・障がい者・性的マイノリティー等にフォーカスしたダイバーシティ戦略を担当2020年2月 AWSにInclusion, Diversity & Equity Leaderとして入社、2021年8月より現職。

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Naomi Yamakawaさん - グーグル合同会社 執行役員 YouTubeマーケティング本部長。大学卒業後、マッキンゼー東京オフィスに就職後、2001年にオイシックス株式会社に初期メンバーとして参画、2005年まで制作チームマネージャー、B2B事業部長などを歴任。2005年11月よりマッキンゼーに復帰後、B2Cマーケティングを中心に消費財、小売、自動車、ハイテクなどの業界に従事。2019年よりパートナーとして、マーケティング領域でのクライエントサポートを行う。マッキンゼー在職中は、ジェンダー、LGBTQIA+などを含むダイバーシティーのリーダーとして社内外での活動を行う。2021年11月より現職。

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モデレーター  Hiromi Karahashi - JPort運営(株)SPeak 創業者&CEO。2019年4月に長年の思いであった「テクノロジーで世界中のヒトと会社をボーダーレスにする」という思いを実現するために株式会社SPeakを創業し、Diversity Recruitment Platform 「JPort」を開発・運営。日本の伝統的進学校を自主退学後、単身で米国の高校に留学。卒業後、8年間バーモント州ニューヨーク中心部にて過ごし、世界中の優秀な若者と切磋琢磨。外国人として過ごした海外生活のなか、日英バイリンガルジョブフェアを運営。その後、日系グローバル企業で務めはじめ、社会人学生生活の中で企業側と多くの学生側の課題や現状を鑑み可能性を感じ(株)SPeak立ち上げに至る。


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「ダイバーシティ」の言葉が示す通り、パネリスト3名のD&Iのルーツも多様性に溢れています。普段は聞くことのないパネリストの生い立ちもシェアしていただきました。パネリストの方々に共通するのは地方・国外・国内において社会の「マイノリティ」として過ごした原体験でした。


Naomiさん 「帰国子女として両文化の経験〜リーダーになって芽生えたD&Iへの課題意識」

Naomiさん:親の赴任に付帯し、ニューヨークの小学校に通いました。帰国後は、小学6年生から高校まで日本の公立に通いました。就職後も、グローバルな環境から、スタートアップでの経験を通して日本の商慣習に浸る実務まで幅広く経験しました。私は性格が形成される多感時期を海外で過ごしたため、帰国後日本の文化にどっぷり浸かった後でも、ミックスされた性格になったと感じています。
女性のD&Iについては、以前は意識していませんでした。「仕事に性別なんて関係ない、実力あるのみ」という意気込みだったのです。ただ、リーダーシップを取るようになってから、女性が職場で遭遇する壁や障害に頻繁に気づくようになりました。そこからリーダーが率先して女性平等について声をあげ、ときには男性からは見えていない壁や、無意識バイアスによって起きる事象を見える化し、起こしたい変化を伝えていく重要さを意識するようになりました。

Hitomiさん 「保守的な故郷と、ガラスの天井。社会構造による障壁への意識」

Hitomiさん:Naomiさんの帰国子女経験とは正反対で、広島の保守的な家庭に育ちました。教育をしっかり施してくれた両親にはとても感謝していますが、次第に女性としての「ガラスの天井」を感じるようになりました。というのも、「すごく頭が良いけど、女の子だからね」というコメントをよくもらうようになったからです。大学進学で東京に出てきた時は、目からウロコでした。これは大きな社会構造に根ざす障壁だと思います。女性だからという理由で、高等教育を受ける機会を積極的に奨励されなければ、女性が自らグローバルなキャリア形成を目指さなくなるのも当然です。
米系の投資銀行の人事部に就職した後も、社会的障壁を見つけるようになりました。障がい者採用を担当した時です。総人口の約7%が障がいを持つというデータがある中で、自分には幼少期から当事者の知り合いが一人もいなかったと気づきました。なぜだろうと考えた時に、小学校から障がい者と非障がい者が分けられて教育されてきたという事実に気がつきました。最初から生活と教育の場が分けられてしまっていることで、お互いの理解と認識にも影響が出ていると気づいたのです。こうした経験を通して、D&Iを私のライフミッションとして捉える様になっていきました。

Paulさん 「自らマイノリティになった衝撃、ダイバーシティの両極端を行き来」

Paulさん:人種のダイバーシティが高いと言われるオーストラリア出身ですが、伝統的な男子校に12年生まで通っていました。しかし、1990年に三重県に交換留学に訪れた時、市全体で外国人が15〜20人だけ・学校においては自分1人だけという、マイノリティになる体験を初めてしました。その後、大阪外国語大学在学時に入った寮では、90人の寮生のうち、各国出身者は1〜2人ずつというルールが設けられており、まさに「多様性のるつぼ」を体験しました。卒業後就職したリクルートでは、社員およそ5000人のうち外国人は13人だけで、そのうち12人がアメリカ人のアメフトチーム出身でした。その後もコンサルティング業界では、チーム全員が違う国出身という状況は当たり前でした。このように、ダイバーシティの両極端を常に行き来してきたと感じます。

第2章・第3章の記事概要・URL

今回のイベントでは、人種・国籍のD&Iについて5つの議題について、非常に濃く、企業人事や新卒採用担当だけでなく、日本社会全体への示唆が多く含まれていたため、記事を3回に分けて配信しています。

第2章では、D&Iに関する以下3つについてパネリストの意見を配信。

トピック1.  貴社・業界ではどのくらいD&Iが進んでいるか?

トピック2. 貴社・業界ではなぜD&Iを重要視しているのか?       

トピック3. D&I実現のため、会社はどのようなことを実践する努力をすればいいでしょうか?

最終章となる、第3章では、以下の2つのトピック・Q&A内容を配信。

トピック4.グローバル人材を受容(インクルージョン)できる企業になるには? 

トピック5. 日本は、世界中の多様かつ優秀な人材を集めた「るつぼ」になれるでしょうか?

Q&Aの内容


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株式会社SPeakでは、グローバル新卒と企業人事担当者が直接つながる双方向マッチングサービス JPort Match を運営しています。

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