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【9/28開催】グローバル人材を新卒で採用・定着させる秘訣とは?|ウェビナーレポート

日本における国籍のダイバーシティ&インクルージョンを目指す株式会社SPeakは、2023年9月28日(木)、「グローバル人材を新卒で採用・定着させる秘訣」をテーマにウェビナーを開催しました。

グローバル展開を目指す日本の優良企業にとって、優秀なグローバル人材は約8割の企業で不足(JETRO調べ)。企業では、優秀な外国人材やバイリンガル人材へのニーズが昨今高まっています。

グローバル人材を効率的に採用するためには、どのような工夫が必要なのか。日本最大級の若手外国人材キャリアプラットフォーム・コミュニティを運営する株式会社SPeak 代表の唐橋が解説しました。本記事ではウェビナーの一部をお届けします。

■唐橋 宗三(株式会社SPeak 代表)
1984年生まれ。高校生で単身渡米し、アメリカ現地高校を卒業後、ニューヨーク市立大学法科心理学部を卒業。 Boston Career Forum運営企業にて運営にも携わり、世界中の優秀な若者のダイバーシティの可能性を感じる。大学卒業後、日本へ帰国しダイキン工業株式会社にて営業戦略部門に従事。その後、株式会社リンカーズ、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)を経て、日本の国力をアップデート・国籍のD&I促進するため、株式会社SPeakを創業。ダイバーシティ経営や海外展開や多国籍社員の採用などインクルーシブな職場を軸に、情報収集や企業選びができる新卒就活プラットフォーム「JPort Match」を開発・運営。


なぜ若手外国人材の採用に注力すべきなのか

唐橋:株式会社SPeakの唐橋と申します。弊社はビジョン「Global People make Global Companies」の通り、グローバルな人がグローバルの会社を、特に日本で作っていく時代を作るため事業を展開しています。

プロダクトは2つで、英日キャリア支援コンテンツサイト「JPort Journal」と、 グローバル採用広報プラットフォーム「JPort Match」です。

私たちは日本の企業にとって、若手外国人材の採用が重要だと考えています。なぜならば英語も日本語も堪能に話せる、グローバル感覚を持った日本人の学生が非常に少ないからです。海外の大学で1年以上学ぶ正規の日本人留学生も、もちろんいます。しかし約2,000名ほどで、この人数は過去20年間ほとんど伸びていないのが現状です。

一方で日本で学ぶ外国人留学生は14万人ほどいると言われており、非常に増えている。また現地の文化や言語、商習慣への理解においても海外展開してる企業さまへもたらすものは大きいと考えています。

とはいえ日本で働きたいと思っている外国人材と企業とがマッチング出来ていないのも現状です。これまで300社以上の会社とお話をしてきて、外国人材の採用に失敗している会社も、成功している会社も多々見てきました。そしてその差は採用前、選考中、そして入社後までの流れがいかに デザインされているかだと思っています。

グローバル人材採用の成否は、外国人材への理解にかかっている

唐橋:まずは採用前の課題として3つご紹介いたします。

1つは外国人材に対するノウハウが無いことです。よくあるのが、たとえばトップダウンで外国人材を採用することが決まり、人事部の採用担当者がアクションを検討するようなケース。「とりあえず採ろう」と採用することが目的になると、失敗してしまいます。苦労して採用したにもかかわらずすぐに離職してしまい、採用担当者のトラウマになっている姿をよく目にします。もちろん総合職採用の一環なので、離職は仕方ない部分もあるとは思いますが、できれば避けたいところです。

そこで大事なのが、入社後のキャリアを明確にしておくことです。日本で学ぶ海外留学生はキャリアにおいて「将来性」を重視する傾向があると言われてます。この将来性というのは 、基本的に「キャリアパス」を指してると思ってください。また日本の大学生と比べ、自分のバックグラウンドや学んできたことを活かして仕事をしたいという想いが非常に強い傾向もあります。

とある上場企業計測メーカーでは、日本人・外国人問わずグローバル採用をされた方には「3年後に東南アジアを統括しているグループ販売会社へ行く可能性が高い」と面接の段階からお話をされていて実際に入社3年以内に上記のようなキャリアを進んでいる外国人材の方が多いです。先が見えてる、明確になっていることは、グローバル人材の採用に成功している企業に共通していることの一つだと思っています。

2つ目に、バイリンガル人材不足です。冒頭でもお話しましたが、マクロ的なデータから見ても、今後着目すべきは外国人留学生だと思います。

そして3つ目に、認知度不足です。外国人採用に限った話ではないですが、学生からの認知度に課題を抱えてる会社は多いと思います。ただ若手外国人材に特有なのは、知っている企業のボリュームが圧倒的に少ないことです。それは勉強不足ではありません。たとえば今私がフランスの会社を何社言えるかと問われたら、思いつくのは1社くらいでしょう。ですから外国人材に向けた媒体で、採用広報が必要です 。

多くの企業が不安に感じるビザ取得。実際のところは?

唐橋:続いて採用選考から入社前までのよくある課題についてです。

1つはビザの話ですね。日本語ではよく「ビザ」と言いますが、法律的には「就労資格」という言葉を使います。よく人事の方から「ビザの取得など、大丈夫なのか」とよく聞かれますが、お伝えしたいのは非常に楽だということです。例えば 日本の大学に既に留学されてる方は、「留学ビザ」を持っています。日本からすると既に審査済みの方なので、残る審査は内定を出した会社の経営状況とこれからする仕事が彼・彼女らのバックグラウンドや学んだことを活かすものかという観点のみです。実際に留学ビザから働くビザへ変える許可率は、10年連続で8割を超えています。内定を出した後、行政書士の方等に入ってもらい、各種書類を整えれば基本通ります。

書類を準備する際は行政書士か、大手企業であれば法務部門を通した方がよいです。というのも申請する際に添付資料として提出する「雇用理由書」はなぜこの人を採用するのか、会社として彼・彼女らに合う仕事を提供できるのかを伝えるものなのですが、実情にあった文章を書けているかが非常に重要視されているからです。行政書士には入管業務のできる方がたくさんおり、「入国管理局 届出済み 行政書士」と調べればすぐ出てくるかと思います。

2つ目の課題として、求める言語力です。みなさんに質問したいのは、日本語能力試験について理解されてますかということです。日本語能力試験は「JLPT」とも言われ、N1からN5まで5つのレベルがあります。N1が最もレベルが高く、N5は日常会話ができるレベルです。

よく人事の方から伺うのが、「うちはN1必須なので」という言葉。これは本当にやめたほうがいいと思います。なぜならJLPTは会話のテストがなく、N1は漢字が使える国の方が合格しやすい傾向があるからです。

東南アジアの学生は話してみると、非常にコミュニケーションスキルが高いです。「日本語ペラペラじゃん」と思うような子もいます。しかし漢字で躓いてしまい、N2止まりということも往々にしてあるのです。

ですからおすすめは条件を最低でもN2くらいに止めておくか、N3くらいまでに設定して、面接時に日本語で自己紹介、自己PRをしてもらいチェックすることです。そこでビジネスの現場でも通用するのか、まだ難しいのかを判断をするのがベストだと思います。

若手外国人材は日本で働き続けてくれるのか

唐橋:外国人材を採用する際、日本からすぐにいなくなってしまうのではないかと不安に思う人事の方は多いです。

こちらの調査結果をご覧ください。左側が外国籍の方で、右側が日本人の方です。違う統計を引っ張ってきているので少しずれがありますが、違いがあるかないかはわかると思います。日本人学生のグラフを見ると「20年以上」と回答する方が多いですが、とはいえ33%ほど。「できるだけ長く」と回答した外国籍の方は4割以上います。また1~2年、3~4年、5~10年を見ると、割合的には日本人も外国人もあまり変わりません。

ただこれは私がたくさんの学生と話してきた中で得た感覚ですが、外国籍学生と日本人学生では「キャリアパス」が明確かどうかで大きく変わると感じています。

キャリアパスがない会社や明確になっていない会社では、相当カルチャーフィットしていないと早期離職のリスクが高いと思います。それは日本人の方に比べて、外国人の方が高いんじゃないかということです。逆に言うと、キャリアパスがある程度明確になっていれば、日本人の子と同じぐらい、もしくはそれ以上に働くことができると思います。

早期離職を防ぐため、
ダイバーシティ&インクルージョンの推進を

最後、入社後によくあるお悩みについて話していきたいと思います。現場社員側からの理解がないこと、社内になじめないこと、離職率・転職率が気になるなど多々あります。

こうした課題に対して最も大事なのは、トップや人事部からしっかりとメッセージを打ち出すことだと思っています。ダイバーシティ&インクルージョンの一貫として、外国籍が母国を離れて一人で日本に住んでいることや職業観や宗教の違いへの理解を促していくことが重要です。

例えばイスラム系の方はできれば1日に5回、メッカの方向へお祈りをするんですね。その様子を何も知らない社員の方が見ると、驚いてしまうと思います。でも「1日5回ほどお祈りをするのが普通のことで、さすがにお客さま先ではやらないと思いますので」と説明しておけば、「ああ、人事が言ってた話だ」となるでしょう。事前に情報をインプットしておくのが非常に大事だと思いますね。

あとは社内外のコミュニティも重要な役割を果たします。弊社でも「Senpaiコミュニティ」というのを運営しています。さまざまな会社で働く外国籍の方が集まっているので 、会社外でつながりを作れます。定期的にコミュニティ内のイベントもやっており、参加費はかかりません。もし社内にちょっと寂しそうな外国籍の社員の方がいれば、ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。

Q&A

Q. 外国人材の方々は本当に日本企業で働きたいと思っているのでしょうか

唐橋:日本人が思うより、日本はいい国だと思います。安心で安全で、差別による事件なども基本的にありません。

またアジアから来日する方が増えてるというのもミソです。たとえば東南アジアを見てみると、国営企業か外資系企業かの選択肢しかないですし、新卒の給料は3万から6万。台湾でも10万と、非常に少ないんですよね。

じゃあアメリカへ行くんじゃないの、と思うかもしれませんが、アメリカのビザはハードルが非常に高く、非常に優秀な方でもなかなか通らないと聞くほどです。一方日本はビザ政策が非常に先進的。若手の外国人材にとって日本に来るインセンティブしかないと思います。日本企業が外国人材を受け入れる気持ちや体制を整えることさえすれば、外国人材にとって十分魅力的な選択肢だと思います。

Q.グローバル人材の採用を今年度より始めようと思っています。「JPort Match」は他社サービスと何が違うのでしょうか?

唐橋:シンプルに言うと、コミュニティに力を入れている点です。「先輩」と「後輩」という本当に学生にとって必要なものを提供し、母集団を形成しています。そこに集まる学生は非常に優秀ですし、その学生たちは何かの媒体を介さず直接JPortに登録しています。そこは他社との大きな違いだと思います。

Q. 優秀な人材を集めるために、どのようなフィルターをかけているのでしょうか?

唐橋:2つあります。

1つは「アンバサダー制度」です。全国に40名ほど、僕らのアンバサダーがいます。全国にある有名大学で学ぶ外国人留学生で、インフルエンサーのような役割をしてくれています。選考も厳しいですし、その方々には私たちが手厚い就職活動のサポートをするので、みんな 内定を得られるよう育っていきます。彼ら・彼女ら経由で学生を集めていると、優秀な方々が集まってきます。優秀な人のまわりには、優秀な人が集まるというシンプルなことですね。

もう1つはリスクヘッジのような観点で、日本語学校や専門学校の方は基本登録できないようにしています。もちろん日本語学校や専門学校にも優秀な方はたくさんいますが、新卒の文脈で母集団を形成しているので、基本的には大学に在籍している方しか集めていないです。

SPeak運営のJPort Matchについて

JPort Matchは若手外国人材に特化したキャリアプラットフォームです。グローバル展開をされてる企業さまと、若手外国人材の効率的な出会いを支援しています。

学生ユーザーは4500名ほどおり、新卒・第二新卒層の方がいます。東南アジアを中心に132カ国から学ぶ留学生が登録しています。特徴は日本語と英語の能力が非常に高い学生が多い点です。

現在グローバル人材の採用に関する無料相談を受付中です。300社ほどの会社をサポートし、500人以上の外国人留学生と面接をしてきた代表・唐橋が貴社のグローバル人材採用に関するお悩みをお伺いさせていただきます。お気軽に以下よりお問い合わせください。

▼無料相談ご予約リンク
https://meetings.hubspot.com/jportbyspeakcorp/casual-w-jport-by-speak-corp-

本ウェビナー全編を視聴したい方へ

こちらのフォームより全編を視聴できるリンクを取得できます。
本レポートに取り上げられていない内容も多数ございますので、ご興味をお持ちいただけましたらぜひご覧ください。



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