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【入社エントリ】モンゴル大草原の遊牧民育ち、日本の大学で学び〜働き、株式会社SPeakへ

はじめに

こんにちは。11/1付でSPeakに入社したバトナサン ツェベルマー(Belle)と申します。モンゴル国立大学法学部を卒業した後、名古屋大学法学研究科で修士号を取得しました。その後、自動車部品メーカー企業の営業部と外資系コンサル企業の法務部を経て、コミュニティマーケターとしてSPeakへ入社しました。この記事では一緒に働く仲間を募集したく、BelleのこれまでとSPeakに入社した理由を紹介します。


自己紹介

モンゴルの大草原、具体的にはフブスグル県シネイデル群・・・と言っても「どこ、、、?」という感じですよね。モンゴルの北部、ロシアに近い街です。冬は平均マイナス30度、寒いです。遊牧民バトナサン家の長女として生まれました。

モンゴルには苗字という制度は無く、苗字に当たるバトナサンは父の名前です。モンゴル人のフルネームは「父親の名前・子供の名前」という構成です。そして、私の父の名前バトナサンに「サン」がデフォルトで入っているので、正しくはバトナサンさんになりますがほとんど呼び捨てです。私は気にしていません。

母・父と私 首都ウランバートルにて。

今は職種を変えているのですが、Belleが生まれた時の両親は遊牧民でした。遊牧民という言葉だけを聞くと放牧して遊んで楽しそうですが、実際はマイナス30度の中で羊飼いという重労働です。モンゴルではよく「会社をクビになったら遊牧民になる」という人もいますが、年中快適なオフィスで仕事している貧弱な人間には無理です。父は今、銀行員をやっています。

日本との出会い

フブスグル県の高校を卒業し後、モンゴル国立大学法学部に入学しました。そこで私の運命を大きく変えてくれた日本語・日本法研究センターに入学しました。日本政府によるアジア諸国への法整備支援の一環として名古屋大学がベトナム、ウズベキスタン、モンゴルなどいくつかの国にセンターを設置し、日本語で日本法教育を受けるチャンスを提供しています。自分の運命を大きく変えた選択肢はこれまでで3回ありますが、このセンターに入ったことが第1回目です。

「なぜ日本か」と聞かれても正直よくわからないです。当時の日本についての知識といえば、モンゴルテレビで放送されていたドラマ『男! あばれはっちゃく』と松たか子の歌『夢のしずく』だけでした。また、法学部に入ったのでモンゴル法は好きでも嫌いでも勉強することになります。日本語・日本の法律を追加で取るか取らないかという質問に対して「取らない」と答えるとどこか損する気持ちになったので、応募しました。2つの大学に同時に通っているようなものですね。大学3年までは夜は3時間くらいしか寝ていなかったです。それでも大好きな日本語、日本の法律の先生方や日本語を勉強する仲間、先輩、後輩たちがいたので、一度も辞めたいと思ったことはありません。

CJLM (Center of Japanese Law in Mongolia)同級生。
入学時は20人、卒業する時は5−6人が通常。

就職活動で苦戦

コロナ直前の2019年9月に名古屋大学法学研究科へ大学院に進学しました。2021年9月に卒業しましたが、コロナ中の留学だったので日本を満喫できませんでした。そこで、運命を大きく変える人生2回目の選択をして、日本で就職することを決めました。

しかし、私の就職活動は失敗そのものです。日本語は日本語能力試験JLPT N1を持っていましたが、ダメでした。恋愛と就職活動に共通して重要なのはタイミングだと思います。私は論文を提出した次の日、2021年7月から就職活動を始めたので、それではもちろん失敗します。ビザの期限切れまで2ヶ月しかないというのに、、、今考えれば恐ろしいのですが、今でも私みたいに失敗する留学生はいると思います。もちろん個々人の計画性の無さや無責任のところはあるでしょう。ただし、個人的には政府から勉強するために奨学金をもらっている私が勉強に充てるべき時間を就職活動に使って良いのか、常に疑問に思っていました。大学院は2年なので、来日してからすぐにでも就活を始めれば良かったのかもしれませんが、当時は日本にどれくらいいるかも決めきれていなかったのです。

新卒は自動車部品メーカー企業の営業部

そんな中、とても幸運なことにソミック石川から内定を受領しました。モンゴルの製造業はあまり発展していません。ものづくりができず、いつまで経っても他国からの輸入に依存してはいけないことをコロナ中にも十分わかりました。日本のものづくりを学びたいと考え、応募しました。職務経験の無い私を採用して下さったことに本当に今でも心から感謝しています。1年7ヶ月間、会社の顔となる営業部に置いていただき、大切なクライアントを担当させていただきました。大事な1社目を卒業した理由は大学の専攻であった法律に関わる仕事がしたかったからでした。

1社目の同僚イラン出身のモハさん、私と中国出身のアンさん。

学んだ法律に関わるを求め、外資系コンサル企業法務部へ

これもまたとても幸運なことでした。英語が少し話せることから、バイリンガル人材を紹介するエージェントから連絡を受け面接の機会をいただきました。モンゴル人に日本語の契約書をレビューさせるという大きな判断はそう簡単にできることではないと思います。それだけの信用を置いて下さったことに心底感謝しております。アクセンチュアは大好きでした。業務を通じて勉強できたことももちろんですが、何よりも素晴らしい方々に出会えたことが本当に嬉しかったです。会社の一員であることを誇りに思えました。

2社目の送別会にて。

SPeakとの出会い

では、なぜSPeakに入社することになったのか?

一番の決め手は、毎日のお仕事が私個人、バトナサン・ツェベルマーにとってどういう価値のあるものかが明確になったからです。初めて、LinkedInでHiromiさんから直接ご連絡をいただいた際に、JPort Journalのホームページを見に行きました。「No more feeling lost in 就活. You are not alone」と書いてあったのです。「私たちが付いているからね〜」って。
ここで一つ泣きました。就活ツールの使い方も分からず、内定も一つも無い、「残念ながら、今回はお見送りとさせていただきます」とのメールばかりを受け取っていた日々を思い出しました。就活中に誰かに「あなたは一人じゃないよー」と言われていたら号泣していたと思います。
そして、その誰かに私がなれる。。。?
私は、留学生でした。就職活動をやりました。転職もしました。
私のバックグラウンドと経験にピッタリなのではと思い、ワクワクしました。

JPort Journal

しかし、採用プロセスはそう甘くありませんでした。文系やビジネス系の仕事では特に、筆記試験や実地試験などはなく、ほぼ面接だけで決まることが多いのでは無いでしょうか。SPeakでは、面接の後、20時間のプレワークがありました。ターゲットユーザー数を獲得するための戦略を立てて、企画する必要がありました。こんなことを考えるのは初めてでした。正直、パニック状態でした。あれだけ、「私に合ってるピッタリのキャリアだ」と思っていたにもかかわらず、実際にやろうと思うとどうすれば良いか全く検討がつきませんでした。色々グーグル検索してそれらしきセミナー開催やSNS宣伝などと考えたのですが、現実味が無いし、面白くなくて自分で聞いても納得がいきませんでした。そこで、プレワークの後半から戦略を変えました。限られたリソースでたくさんのことを中途半端にやろうとするのではなく、一つだけを選んで、どうすれば会社の成長につながるかと同時にユーザーに価値を提供できるのかだけを考えました。そして、最終プレゼンテーションで実施したいワークショップの内容と当日の想定する流れを発表しました。この発表前までは絶対に不採用だったと思っています。なんとかギリギリで採用オファーをいただけたと思っています。

SPeakへの入社理由

上記でSPeakに入社を決めた一番の決め手は仕事の内容だとお伝えしましたが、実際はたくさんの理由があります。SPeakのこれまでの実績、すごく丁寧な内定オファーレター、メンバーたちからの歓迎の温かい言葉、HiromiさんとNicoleとのやり取りなどなど。そして、最終的に信じたのは、自分のgut feeling(直感)が大きいです。SPeakは設立から5年未満です。にもかかわらず、留学生向けの豊富で有益なコンテンツのラインアップや先輩とのコミュニティ作りまでできています。正社員は、私が4人目です。こんな短期間でこんな少人数で限られたリソースを配分して出してきている結果やインパクトは信じられないほど素晴らしいと感じたのです。SPeakが「JPort」というブランドを通して、素晴らしい仕事をすることで留学生と留学生を必要とする日本の企業が必ずハッピーになれると確信したのです。
ただ、そうわかっていても、実際には難しいこともたくさんあると思います。しかし、Hiromiさん、Nicoleさん、Shogoさん、そして「JPort」を信じてくれるインターンや支えてくれる方々と一緒なら、大変な時も一緒に乗り越えられる気がします。そんな気しかしなかったので、私の運命を大きく変える第3回目の選択肢をして、SPeak4人目の正社員として入社することを決めさせていただきました。

大変な時でも、いや、大変な時こそ支え合うTeam SPeakの一員となっていきます。

SPeakチームw インターン生のSaku, Otomi, Azu@岡山

一緒に日本をボーダーレスにする社会をつくっていきませんか?
たくさんの方々とお会いしてお話しすることを楽しみにしております!


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