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「日本には可能性がある」 レノボジャパンCMO シーチャウ氏の人生から学ぶ、日本流のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

Borderless Japan第1回キーパーソン特集には、Lenovo Japan CMO シーチャウ・リュウ(Xiqiao Liu)氏をゲストにお迎えしました。大学から日本に留学後、P&G、RBで複数消費財カテゴリーのマーケティングを経て、J&J Japanのマーケティング本部長に、J&J香港の現地社長として赴任、2年間でV字回復した後、Fintechスタートアップ・FOLIOにてCMO&副社長を経験し、現在はレノボ・ジャパン合同会社のCMOとして活躍するシーチャウ・リュウ(Xiqiao Liu)氏の人生・キャリアに迫り、日本と海外の違いや人種・国籍のD&Iを推進する日本の課題やポテンシャルを探します。

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"日本での人種・国籍のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を進めるメディア“ Borderless Japanをご視聴のみなさん、こんにちは。SPeak Corp.の創業者 唐橋 宗三(Hiromi Karahashi)です。

私たちSPeak Corp.が運営するJPort Matchでは3,200名以上の新卒・第二新卒の外国籍留学生や日本国籍バイリンガル学生を含むグローバル人材キャリア支援。日系・外資系大手企業へマッチングした実績がございます。

 Borderless Japanは、グローバルなバックグラウンドを持ち日本で活躍されている方に取材し、人生・キャリアに迫り、日本の人種・国籍のダイバーシティ&インクルージョンにおける課題や可能性をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

↓ インタビューを聴く:Borderless Japanは、Podcastでも配信 ↓

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Episode #01_シーチャウさん

リュウ シーチャウ(Xiqiao Liu)
中国出身。一橋大学卒。大学から日本に留学後、P&G、RBで複数消費財カテゴリーのマーケティングを経て、J&J Japanのマーケティング本部長に就任。全ブランドの売上及びその収益責任を負い、かつデジタル戦略を統括。2年間で全ブランドのマーケットシェア向上を実現した後、J&J香港の現地社長として赴任、2年間でV字回復を成功させる。FOLIOにてCMO&副社長を勤めた後、2020年7月よりレノボ・ジャパン合同会社のCMOに就任。

シーチャウさんの人生

- Borderless Japan第1回ゲスト、よろしくお願いいたします。まずは、シーチャウさんのプロフェッショナルな経歴について教えていただけますか?

今は、Lenovo Japan のCMOとして日本のマーケティング責任者をしています。キャリアとしては、大半をマーケターとして時間を使ってきました。日本の大学を卒業してから、10年間ぐらいは消費財系でマーケティングの経験をいろいろな会社や場所で経験してきました。一番最初はP&Gでマーケティング職、その後、ミューズやフィニッシュやメディキュットを展開するRB(レキットベンキーザー)でマーケティングをしました。そして、ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本のマーケティングHead責任者として転職して、日本に2年間いてから、ジョンソン・エンド・ジョンソンの香港のカントリーマネージャーやりました。その後は、スタートアップに行きました。スタートアップといっても消費財でもB2Cでもない完全に畑違いのFintechのスタートアップ「Folio」に入って、1年半ぐらいマーケティングや事業全般も見ていました。2020年7月に、レノボに入社した感じですね。なんか、消費財が長かったんですけども、その後は全然違う業界でマーケティングをやっているのが、ちょっと不思議なキャリアになってるかもしれないんです。 

- 普段はあまり知られていない、シーチャウさんの過去を遡らせてください。シーチャウさんは、どんな子供でしたか?

よく英才教育を受けてきたかとか聞かれることもあるのですが、基本的に私はきらきらな英才教育とかを受けてきたわけでもなく、結構適当に生きてきましたし、いまも結構適当かもしれません(笑)。自分がすごい優等生だったとか、人よりすごかったとかみたいな事は、いまから話す内容の最初から最後までないっていう前提で話を聞いてもらえば嬉しいなと思っています。

私は、18歳で高校卒業するまで中国にいたんですけれども、幼少期は、勉強はとりあえず合格すればいいよねぐらいの感じでいました。なぜかというと、中国の私の世代だと、本当に子供の数もすごい多く、一人っ子ばかりなので、親もすごい子供に投資をし始めた時期だったんです。だから最初は、満点とか取ってクラスの1位になったらかっこいいよねと思ってたんですけれども、どこかのタイミングで気づいたんです。私よりも長い時間勉強してる人がいるし、別に自分が特別に賢いとか思ってなかったので、みんなと争って1位になることを目指すよりも、勉強はそこそこやればいいよねって思うようになったんです。だから、同級生がみんな夜の9時とか10時まで塾に行って勉強している一方で、自分は結構違うことやっていました。受験以外の興味のあることを学んだり、一人で旅をしたり、同級生とは違う所に時間を使っていて、私の親はむしろこういう私を支持してサポートしてくれたんです。今考えるとすごいありがたいなと思いますね。なので、子供のときからあんまり人と比べて自分がどうかというのを家族にも求められなかったし、私自身も他の人と比べたりはしてこなかったです。

結構のんびりというか、マイウェイでやってきましたね。よくストイックな人間だと思われがちなのですが、自分では結構ゆるく生きているので「ゆるふわ」と以前別の取材で言われたこともあるぐらいです。

- 自分の生まれ育った国を出て、なぜ日本に留学しようと決められたのですか?

こういうとこで話すのもちょっと恥ずかしいんですけども、高校の時の彼氏が留学するって言っていて、それなら私もぐらいの気持ちだったんです。ただ、当時は中国以外の大学に行ったほうが良いよなとはうっすら思っていました。親と家族会議を重ねて、海外の大学に行くならどこがいいのかをたくさん議論したんです。実は、その当時母が日本で仕事をしていたので、あんなめちゃくちゃ議論して、その中で海外の大学行きましょうみたいなそのためにZ会行けばいいのかみたいな話で家族会議した日に当時あった母親が日本で仕事してたんです。日本は、距離的にも近いし、治安も良さそうだし、っていう理由で日本になったんです。なんかすごい強い理由があったわけでもなかったですが、家族会議でもじゃあ日本にしようと決まって留学することが決まりました。ただ、完全に家族会議で忘れられていたのですが、私は来日前、日本語が全く喋れなかったんですが、そこはファクトとして完全に無視されました。そのまま日本来ましたって感じですね。

- 日本の大学時代について教えてください。初めて来日してから日本に慣れるのに時間はかかりましたか?

大学に入ってからも来日前と同じ感じで、勉強はそこそこして、それ以外の興味のあることに結構時間を使って楽しんでいたんですよね。

大学に入ってすぐに「OVAL」というビジネスサークルに入って、日中韓のトップ大学の学生のためのビジネスコンテストを運営するようなサークルに入っていて、私たちは当初、OVALの第1期目と第2期目でした。なので、授業は普通に出て、出欠とかレポートはちゃんと出すぐらい。あとは自分のサークル活動での友達がたくさんいるのがとても楽しかったので、せっかく大学にいるんだったらと思って時間を割いていたりしました。ただ、そのサークルは2年生までしかなかったので、大学3年・4年は、いろいろな会社でインターンやバイトをしました。特に、スタートアップが多かったので学生として今まで経験してこなかったことを学生のときに本当にいろいろなことを経験させてもらっていて、個人的にはすごくよかったと思っています。

余談なんですが、実は、インターンやバイトをいろいろな会社でやっていて、学生としては結構収入はあった方だったんです。ただ、貯金しても仕方ないんで大学を卒業する前になんかやりたいなと思って、オーストラリアにゴルフ留学しに行ったんですよ。当時、社会人になったら勉強した方がいいもののイメージにゴルフがあって、ただ社会人になってからでは練習する時間もなさそうだなと思いまして。調べたら、ゴールドコーストにホームてステイで1ヶ月ゴルフ留学のコースを見つけて行ってみたんです。現地で友達もたくさんできて楽しかったんですけども、肝心のゴルフはうまくもならず、むしろちょっと嫌いになって帰ってきました(笑)。

- 大学時代の出会いで、今でも活きていることはありますか?

すごく、活きています。OVALで出会った仲間っていうのは未だに仲いいし、ビジネスで繋がってたりもします。例えば、OVALの仲間が自分でスタートアップ起業し、上場したんです。その会社の新しいビジネスが私の今の会社と結構シナジーがありそうでちょっと何かやろうよって話になったりとか。友達としてもお互いに昔の性格とかもわかっているので、相談相手としてもすごくいろんな昔の友達お世話になっているので、今でも仲がいいです。

日本への想い

日本ってすごい良い国だと思うんです。そう思わなかったら、いまだ日本にいることはないと思います。暮らしやすいし、みなさんすごく優しいし、ベタな話ですけどもご飯もとても美味しいし、観光コンテンツもいっぱいある。日本で暮らしていて、ストレスが本当に少ないと思うんです。私も中国で生まれ、香港でも住んで、海外旅行にもよく行きますが、例えば女性で1人で出かけるとすごい不安だったりとか、物をなくしたら絶対に返ってこないなんてことは、日本ではないじゃないですか。そういうのって実は本当に大事だと思っているんです。

皆さんはもしかしたらそう感じていないかもしれないですけど、他の国に1週間行って暮らしてみたら私の言ってることがなんとなく分かると思います。日々の生活の中でのストレスレベルがすごい低いから、住むにはやっぱりとても良い場所だと思います。

逆に、ダイバーシティに関していうと、日本の伝統的な企業だと未だ進んでいないんじゃないかなと思います。私は、外資ずっと働いてきたので、日本に住みながらも、会社のカルチャーがすごいダイバーシティに富んでいました。ただ、ふつうの日本の会社ではまだダイバーシティはそこまで進んでいないのは課題の一つとしてありつつも、やはり日本はとてもいい国なんじゃないのかなという風に思ってます。

キャリアで感じた海外・日本の違いや可能性

- キャリアを日本で初めて感じたことを教えてください。

P&Gに新卒で入ってよかったなと思っていることは、もちろんマーケティングの学校としてフレームワークとか教えてもらったこともあるのですが、結構、マインドセットとしていかにオーナーシップとリーダーシップ持つのかというのをすごく求められた事です。普通であれば、1年目だから教えてあげる・守ってあげる雰囲気があるかもしれないのですが、P&Gは特にマーケターに対しては、みんながリーダーであるということを強く求められていたのです。私が入って、1年目で一番最初に担当したブランドがすごくブランドが失敗してすごいビジネスが大変だったんですけども、そこをリードしてビジネスをドライブしろっていう形だったのです。ビジネスがうまくいかないと、いろんな人に怒られるし詰められるし、みんなに無視されるしていう中で、泣きながら私が悪くしたわけじゃないのになと思いながらも、引っ張っていったっていうのが原体験としてあるんですね。当初は本当に理不尽だなと思ったんですけれども、仕事してきたら結局そういう修羅場が大事じゃないですか。チャレンジがあるのは多分全てのところにあると思うんですけれども、それが誰のせいなのか、何が悪かったのかっていうのはもうどうでもいいから、引っ張れる人やリードできる人や自分のものだと思ってやっていける人がすごい大事だと思うんです。こうしたマインドセットっていうのがP&Gのときにすごく鍛えられたんで、そこに一番最初新卒で入ってよかったなと思います。

-その後、J&J香港のカントリーマネージャーとして日本以外の国で働いて、キャリアの目的地として、日本との違いは感じましたか?

ありましたね。香港の方が、体感速度的に2-3倍ぐらい速かった気がします。日本で2年間ずっとビジネス数字が一桁成長程でステークホルダーを色々と説得することも多かったです。香港のビジネスサイドの人数は、日本のチームの3分の1ぐらいだったのですが、いろいろな話のスピードが速いなと思っています。実際に香港では、1年間でビジネスをターンアラウンドしたんですが、これが日本だったらもうちょっと時間がかかってたのかなっていう感じはしますね。

- どういう違いで話のスピードが速い、遅いを感じていますか?

話がストレートだから決めやすいんですよね。

例えば、日本で従業員が実はプロモーションしてほしいもしくは給料上げてほしい時に、絶対に「給料あげてください」とかって言ってこないじゃないですか。日本であった例なのですが、とある従業員の方が「私は結構頑張っていると思うのですが、認められていますか?」と聞いてきてくれたので、私も上司としてキャリアビジョンの相談なのかなと解釈して、いろいろ相談になっていたんです。しかし、数ヶ月後に分かったのは、昇進したかったんだっていう話が、日本の場合は多いです。一方、香港の場合だと朝会社に行ったら私の席に来て「シーチャウ、給料もっとあげてほしい」と言ってくるので、「あ、そうなんだ。だったらこうしましょう。」みたいな話になるんですね。

海外では相手が何を考えているのか・何を求めてるのかを「探る」のにそんな時間かからないことが多いかなという感じがします。

例えば、レストランの忙しい時間帯でもこうした違いが見られます。日本で忙しい時間帯に注文しようとしたら「今から参ります」みたいな感じで何か他のことやってて席に来てから注文するとしたら、香港のそんなに高級な店ではなかったら、その場で手を上げて「すみません、烏龍茶」って言ったら、店員さんがすごい遠いところでも注文取ってくれて、持ってくる。一回席にまで行って注文をとるという、そこの面倒も省いてしまうというのが香港ではあったりします。もちろん良さもあると思うんですけれども、日本だと丁寧にしなければいけないというのが優先されてしまうので、場合によっては時間がかかってしまいますよね。

- 日本の良さやポテンシャルはどのように感じていますか?

すごいたくさんあると思うんですけれども、あえていうとするならばチームワークだと思います。周りの人たちのことを気にしながら仕事をする人が多いので、逆にチームとして本当にうまく回ったときにすごいパワーが出るなっていう感じです。先ほどの海外の「給料上げて!」ていう話の逆かもしれないですが、自分が自分がって言っている人が少ないから、みんなのバランスの話とか、チームとしてこれ大事だよね、みたいな話をしたときに、理解してくれる方が多いかなっていう感じがしますね。

物事がうまくまわりだすと、チームワークがあってとても素敵なチームになるというイメージです。

- 答えづらい質問かもしれないですが、外国人として日本で働く時の難しさや嫌だなと感じたことはありますか?

私はずっと外資だったし、仕事も英語を使うことも多かったですし、会社自体もD&Iを推進している会社ばかりだったので難しさは感じてきてはいないです。

ただ、強いて言えば、日本語のコミュニケーション。もう少し詳しくいうと、英語のコミュニケーションと日本語のコミュニケーションの求められるレベルの違いですね。日本ではなぜか「完璧な」日本語が求められるんですね。

私はマーケティングで、営業ではないので少しおかしな敬語とか使っても大丈夫なんですけれども、外部の方に対しては、すごい完璧な敬語とか書けないと外部のお客さんに書けないなとと思ってしまうんですね。

今までいろいろな国の方たちと英語で仕事してても、別にみんな英語が完璧ではないじゃないですか。完璧じゃない英語でも伝わればいいっていう感じで、みんな社内・社外とメールを送っているんですけど、日本語になると、完璧に書かなきゃいけないっていうプレッシャーがすごい。本を書いているのであれば理解できるのですが、ただの仕事のメール書いているだけなのに、すごい言葉の要求水準が高いなっていう感じはしますね。

私の場合は、そこまで日本語の要求水準に悩まされたわけではないですが、強いて言うのであれば高すぎる日本語のRequirementというのは、特に留学生の皆さんは、結構やりづらいんじゃないのかなと思います。

- 留学生の話がでたので聞きたいのですが、いま就活をしている留学生にあえてキャリアアドバイスをするとしたら、どんなことを伝えたいですか?

すごいいっぱいあります。

まず、留学をしている時点でバックグラウンドがダイバーシティに富んでいるじゃないですか。その中でも、何か自分の価値や自分ができることとか本当に何か、自分のポテンシャルや可能性を考えてほしいなと思います。

なぜかというと、留学生が日本の就活システムの中に自分を当てはめようとしすぎると「日本人よりも日本語を話せないといけない」とか「日本的な働き方をしなくてはいけない」と考えてしまうんです。そうすると、自分の強みを活かせなくなってしまいますよね。採用する側からしたら、それだったら最初から日本人の方がいいってなってしまうと思うんですね。

だから、そういう風に考えないで、自分の良さや他の人ができなくて自分ができることにフォーカスして考えてどういうキャリア作っていきたいのかっていうところを考えてほしいなと思います。

- シーチャウさんが言うと、とても説得力がありますね。

本当に留学生の方々といろいろと話しているんですが、異国の地で留学をしている時点ですごくいい経験になってるし、活かせるポテンシャルにもなっているので、自分を持ってほしいなと思います。

企業のD&I~グローバル人材・Z世代の採用アトラクト

- 日本がダイバーシティにあふれる人たちに対して、もっとインクルーシブになるために、シーチャウさんのの経験上、アドバイスはありますか?

インクルーシブの前に、受け入れる側のみんながダイバーシティのある体験をしなきゃいけないと思うんですよね。

例えば、同じようなバックグラウンドの方が、100人ぐらい固まって、「ダイバーシティやりましょう」とかって「インクルージョンを考えましょう」とかって言ってても、多分、その人たち考え方から見たダイバーシティとインクルージョンしかないと思うんですね。

よくあるじゃないですか「女性を増やしましょう」と言って、40-50代の男性10人だけで議論をしていたりとか。こうなると結局、いいアウトカム(結果)が出てこないと思います。なので、この例だと50代の男性の方々が、女性しかいない会社で1年間働いてみるとか。要は、ダイバーシティ&インクルージョンには、受け入れる側の人たちが、自分の原経験を増やしていく必要がすごい大事かなと思うんですよね。

実は、私自身も今までいたいろいろな国の上司がいて、こうした原体験が多くあるんです。

とあるアジアの国の出身の方が上司だったのですが、その方の話がとにかくゃ長くて全然終わんないんですよ。そこで私が一度文句を言ったんです。あなたのせいでミーティングも伸びるし、話が長い、簡潔に話しましょうっていうトレーニングも受けてるじゃないですかって言った時に、彼はこう言ったんです。

「自分は国の小学校では、一つのクラスに60人とか70人とか学生がいて、発言しないと自分の存在感も無くなってしまう。だから、存在感を出すために一生懸命喋って生きてきたんで、それはもう僕の癖です。」

今はわかりませんが、逆に日本の小学校だと先生から「◯◯くんどう思いますか?」と指されるのを待って、静かにすることが求められたりしていたと思うんです。

どっちが良いとか悪いとかではなくて、違った人と一緒に働くと「あ、この人はこうなんだ」とわかるようになり、自分の中の経験値が上がる。経験値が上がると、いろんなタイプの人ともっとフラットに、スムーズに働けるようになるんですね

- 最近では、新卒・中途を問わず多様なグローバル人材の方たちを採用したいという会社も増えてきています。日本の会社の経営者や採用担当者はどのようにマーケティングして、アトラクトすればいいと思いますか?

まず前提として、日本で働くことにそもそも興味を持っている人がとても多いのではないかという仮説を持っているんです。これはデータ取ってるわけではなく、私の知り合いとか友達の話とか周りの人の話を考えると、そんな感じはしてるんです。

その上で、どうグローバル人材をアトラクトするかというと主に2点あると思います。まずは、先ほども話した採用における過度な日本語レベルを求めないことです。それと同時に、ダイバーシティを心の底から会社が受け入れるようとしている環境があることです。ただ仕組みがあるだけではなく、社員が心の底からダイバーシティを受け入れようとする会社はグローバル人材をアトラクトしやすいと思います。

- 今まで沢山の国の方々と働いてきていると思いますが、海外と日本のキャリア感はどのように違うと思いますか?

自分のキャリアを自分でOwn(所有)するって考えている方が日本は少ないかなと感じます。

私は外資だったので、メンバーシップ型の会社ではないですが、新卒で入社したタイミングで上司に「会社と結婚するな」と言われてました。また、P&Gで仕事がつらかった時期に上司に言われたのは「別に会社を辞めても、昇進昇給だよ」とも言われました。要は常に、自分の市場価値を理解しているかどうか。その市場価値よりも高いポジションに就くことも可能だけども、いまのポジションで頑張ってうまくいかなければ辞めればいいっていうふうに思える状態で働いてるかどうかが大事なんですね。そこには、後ろ向きな話がなくて、本当に経営層の意思決定やディシジョンで納得ができないのであれば、辞めれば良いと思っているんですね。辞めても困らないような状況を自分がちゃんと自分のキャリアを作っていければいいのかなと思ってるんです。

ただ、わりと日本ではそういう考え方してない人もたくさんいるとおもんですね。例えば、ドラマであった半沢直樹を見ていて思ったのは「この人こんなに仕事できるのになんでそんなに出向のこととかを恐れているのかな。辞めてもっと求められている所に行けばいいのに。」ってすごい思いましたね。

- マーケターとして、Gen-Z(Z世代)の人々の価値観に注目していると思うのですが、「キャリア感」にも違いがあると思いますか?

あると思います。Gen-Z(Z世代)を代表しているわけではないですが、「いままでの普通と自分の普通は違う」という感覚が強いと思います。例えば、今までの価値観であれば朝9時に出社するのが当たり前だったとしても、出社時間はフレキシブルにしたいと思う人が多かったりすると思います。

これからは、Gen-Zの方々が活躍する世の中になっていきます。Gen-Zの特徴としては、国籍とか性別とかを超えてそれぞれ一人一人が違うという価値観を大事にする方が多い傾向があるので、それぞれみんなが活躍できるような環境を作っていくことがすごく大事だなと思います。

Borderless Japanへ向けて

- 最終的に日本が世界中の優秀な人たちが集まる場所になっていけると思いますか?

なっていけると思うし、なってほしいと思います。

なんか日本の中では、「もう経済も成長しない、日本はもう終わりだ」みたいな悲観的な説が多い気がしているんですが、そんなことないと思うんです。J&J時代に一緒に働いていた元CFOの同僚はとても優秀なんですが、全然日本語喋れなくも日本に2年間住んでいたんです。

当初、彼女はもう日本に行きたくてしょうがなくて、日本語喋れなくても会社を辞めて、日本に来てレストランとかでバイトをしながら、日本語勉強して日本で暮らしたいと思ってるぐらいなんです。

要は、世界中の優秀な人たちが、みんながみんな「儲けたい・世界を変えるサービスを作りたい」というわけではなく、単純に日本が好きで、日本の文化や暮らし方が好きだっていう人が世界中にはたくさんいると思うんです。こういう人たちは、ただ給料だけで動くわけではないので、こうした優秀な人たちをどう受け入れられるかが大事だと思うんです。

私が香港で働いていた時も、日本で働きたい・日本が好きな人が本当に多くいたんです。こんなにみんな日本が好きなんだって感じました。こうした人たちが日本で働いたら、週末は好きな文化や場所やアニメに触れたりして長く日本にいたくなると思うんですね。

だからこそ、日本がこうした人たちを受け入れられる環境があれば、今よりも全然良くなっていくと思います。

- SPeakの掲げるBorderless Japanを通じてやってみたいこと?

SPeakが提供するサービス「JPort」にはたくさんの優秀な学生たちが集まっているので、その人たちの日本で働くポテンシャルを増やしたいなと思っています。Hiromiさんも言っていたように、留学生の就職率が3割位。せっかく日本で勉強して日本語も喋れる人材であり、日本をもっとダイバーシティ豊かな環境にしていける方達なのに、3割ぐらいが就職してあとはみんな帰ってしまうというのは、すごくもったいないと思うんですね。

やはり、似たような人が多い組織を変えるには、今までとは違う人を組織に入れていかないといけないです。日本で数年間勉強して日本語を勉強してきた学生は、まさにこうした「違い」を生み出すトリガー(きっかけ)になり得ると思います。なので、日本の大学を卒業後に他の国に行ってしまうのは損失だと思うので、減らしていきたいと思います。

いま、SPeakがやっていることはとても素敵です。前回のHiromiさんのPodcastを聴いて、今まで、留学生という文脈でOBOG訪問のような場はなかったし、されたこともなかったことに気づいたんです。自分が日本で学び、働いている立場として、アドバイスやサポートをできると思っています。

とても素敵な活動なので、これからできる限りの応援していきたいと思ってます。

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唐橋宗三(Hiromi Karahashi):株式会社SPeak 代表取締役CEO|JPort Journal - JPort Matchを運営|高校から大学卒業まで単身渡米し8年を過ごし、世界中の優秀な若者のダイバーシティの可能性を感じる。外国人として過ごした異国での生活、日英バイリンガル最大級ジョブフェアの運営経験、日系グローバル企業や中小企業、MBA学生生活の中で企業側・学生側の課題や現状や可能性を感じた。プライベートでは留学時代に出会った外国籍の女性と結婚し三児の父。「Global People make Global Companies(テクノロジーで世界中のヒトと会社をボーダーレスに)」をビジョンに掲げ、SPeak Corp. 創業以降、まずは日本をボーダーレスにすることを目的に、グローバル学生と企業人事をつなぐ「JPort」を立ち上げ、採用支援。オウンドメディア Borderless Japanを立ち上げる。 LinkedIn / facebook / Twitter

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Borderless Japan - Nicole Vizconde, Noah Leon Nakanishi, Karin Inoue, Yushi Song, Otomi Tochika, Anna Ozaeta, Serin Hwang, Christina Fukuoka, Hana Sumiya, Tsubasa Hirata, Hiromi Karahashi

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