「JPort」の今までの5年〜これから
こんにちは、みなさん!若手外国人材キャリアプラットフォーム「JPort」を運営する株式会社SPeakの代表 Hiromi です。もう2024年も残すところ1ヶ月。みなさんの2024年はどんな1年でしたか?
2024年は、当社にとって創業5年・資金調達完了・フルタイムメンバー2名から4名体制へとイベントが多かったため、創業から5年の「今まで」をまとめ、最後に「これから」について書きます。
長いです!とても長いです😅 何回かに分けてお楽しみください☕️
この会社の立ち上げは、私の人生の原体験に紐づいているため、まずは自己紹介から始めさせてください!
自己紹介:人生振り返り〜起業
幼少期〜中学校まで
高卒の両親の第三子として東京都八王子市で生まれ、神奈川県相模原市で育ちました。小学生の頃、父が不動産業を始め、経営者として忙しく働きながらも、お客様や社員への思いを見聞きし、「いつか自分がやるべき領域で、社会にインパクトを与える事業を興したい」と考えるようになりました。
中学時代に色々とあり、高校を自主退学。その後、何もしていない期間が続き、「このままでは何者にもなれない」と15歳でアメリカに単身留学を決意しました(家族に感謝)。
日本を飛び出して「外国人」に
アメリカ東海岸で8年を過ごし、外国人としての困難や楽しさを経験。SPeak創業に大きな影響を与えました。留学初日に出会った妻とは現在、国際結婚をして14年もの間、日本で一緒に暮らしています。アメリカの田舎の高校〜大都市の黒人・ラテン系移民の多い大学で自分が一番好奇心を持っていた犯罪心理学を学び、メディアでは語られないアメリカの現実を実感しました。
大学時代には、体育会系サッカー部で主将を務める傍ら、刑務所のボランティアやボストンキャリアフォーラム運営母体でも無給インターンとして大学支援・イベント運営を支援していました。
大手勤務・国際結婚を経て、MBA
ダイキン工業に入社し、営業企画や現場営業を6年間経験。
プライベートでは、高校で出会った外国人の妻と安全な日本で三人の子宝を授かる中で幸せな生活を過ごす一方、アパートを借りるとき・妻の名義で携帯や銀行口座やカードを申請するときは、制度に歯痒さを感じました。妻をテロリスト扱いしないでくれと、何度言っても断られてしまうことが多くありました。何も変えられない自分に腹が立ちました。
ダイキンを退職後、慶應義塾大学大学院(MBA)に進学。日本の大学で学ぶ外国人留学生とたくさん出会い、日本語も英語も話せる外国人留学生が日本の就職活動に苦しんでいるだけでなく、金融・住まいなどの個人では解決が難しい課題に多く直面している現実を目の当たりにしました。
優秀な留学生「Mark」との出会い
最も印象深かったのは、マレーシア出身のMark。アメリカの名門大学を卒業し、日本語も堪能な彼が「The 就活」で苦しんでいたことに驚きました。就職先で求人には書いていない現場作業を強いられ、パワハラに遭うだけでなく、生活面でも壁を感じる場面にでくわし、メンタルを壊してしまいました。彼が帰国する1日前にご飯に行った時に、冗談を言いながら彼がふと放った一言が、胸に刺さり、解決策を自然と考えるようになりました。
起業理由〜市場・ターゲット・戦略
自分がやるべき事業
日本で生まれ育ち、海外の経験・外国人の妻と日本で暮らす経験・そして多くの外国人留学生の課題を知る自分が、人生をかけて取り組むべきだと使命感を感じたからです。幼少期に抱いていた「社会にインパクトを与える事業を興したい」という思いが、パズルのように当てはまったのです。
市場の成長性とポテンシャル
原体験に加え、市場の成長性や外国人材市場の課題やポテンシャルに魅力を感じました。外国人材市場は「キャリア」「金融」「生活」の3つの分野で『外国人NG』が存在し、3兆円超規模の市場があります。
その中でも、「キャリア」は外国人留学生の就職率が3割程度で、The 就活が大きな壁となっているにも関わらず、誰もユーザーのバーニングペインを解決していなかったのです。
金融や住まいでは「外国人NG」が起きている一方、キャリアでは優秀な人材を国籍問わず欲しい企業人事が非常に多いのは明白だったため、キャリアの事業から始めると決めました。
ターゲット市場と優先順位
当社のサービス「JPort」は、145万人の「若手外国人材」を大きなターゲットとしています。日本の大学で学ぶ外国人留学生や元留学生で日本で働く外国人材、その家族や永住者の方が含まれます。
特に、就職活動に苦戦し、卒業後の就職率が30%程度の外国人留学生が第1ターゲットです。日本の大学で学ぶ外国人留学生は急増しており、特にグローバル大学創生事業などの支援を受ける大学で学ぶ優秀な学生は多く、卒業後も日本での就職を望む留学生は実際は非常に多いです。
最終的には、145万人に加え海外大学で学び日本で働きたいポテンシャル層も視野に入れて、キャリア・金融・住まいの全てを提供する社会インフラの提供を目指します。
「やらない領域」の決定
創業前から「外国人」を粗いカテゴリーででまとめないこと・グローバル人材という言葉を都合よく使わないということを決めました。具体的には、外国人材市場の中でも、いわゆるブルーカラー層の技能実習制度・特定技能制度のキャリア事業はやらないと早期に自ら足を運び判断しました。誤解を招かずに言うと、現場で一生懸命に働く実習生の方々の問題ではなく、制度設計や仕組みに大きな疑問を感じること・そして世界的な労働人材獲得競争が熾烈なためです。今後、実習生向けにキャリア事業以外のサービスを提供する可能性はありますが、キャリア事業では対象外としています。
今までの「JPort」
ゼロから始めたこと
Cユーザーである外国人留学生を理解するために、300名以上に無料で本気でキャリア相談を実施しました。理由は、どんなに応援する気持ちを持っていても「自分は外国人留学生にはなれない」からです。とあるZoom相談で涙ながらに語った留学生の姿や、日本の就職活動の難しさ、「日本人化」してしまい、悩む様子を目の当たりにしました。イベントでは「ロールモデル」の存在が自信に繋がることも実感しました。
創業以来、累計500名以上の留学生を支援し、Ameeraさん、Annieさん、SaraさんやLinhさんなどの努力と勇気から多くのユーザーインサイトを得て、この事業に対するモチベーションが加速していきました。同時に、Bユーザーである企業人事の方々にもヒアリングを重ね、Cユーザーの質や量、工数がサービス選定の基準であることを確認しました。
留学生特化キャリア支援サイト「JPort Journal」開始
JPort Journalでは、就活についてのコンテンツ・コミュニティを留学生向けにカスタマイズしていて、英語・日本語で無料で利用でき、現在は146カ国・6,000名を超えるユーザーが利用しています。
コミュニティには、日本で働く若手外国人材「Senpai」が20カ国以上・80名登録しています。定期的にコミュニティイベントを開催しています。
コンテンツには、就活関連記事 79本・Senpai Tips 記事 83本・当社制作の就活動画コース 14本・先輩制作の就活動画コース 10本・定期的な就活イベントなどがあります。
シード資金調達後、留学生に特化した情報提供サイトの必要性を感じ、JPort Journalを立ち上げました。お金を生まない段階でのリリースに不安もありましたが、初期投資家のライフタイムベンチャーズの木村さんやHRビジネスで私が尊敬をしている経営者の方からも別々の角度から「ユニークな方法で母集団を持つことが優位」とのアドバイスをもらい、確信を得ました。コンセプトチェンジを繰り返し、今では「オンラインキャリアセンター」の立ち位置を確立しています。
コロナ禍でJPort登録数は急増
JPortJournalリリース直後にコロナが始まり、多くの留学生が渡航制限で学校生活はもちろん、就職活動でも困難に直面しました。ウェビナーを積極的に開催したことで、JPortの登録者数は急増。この急成長を支えたのは、優秀なインターンたち(Mandu, Eric, Ayumi, Rei, Chika, Saki, Lisong)です。このインターン生たちが、のちに続く優秀な次世代インターン生を呼び込み、SPeakの伝統となる「優秀なインターン組織」の原型を作りました。
特に、ManduとNicoleは、インターン組織を作るリーダー的な役割を果たしました。後に活躍するKarin, Noah, Anna, Yushi, Otomi, Azla, Kimmy, Serin, Kumar, Sam, Saku, Kao, Jun など多くのインターンが当社を支えてきています。今では、インターンポジションをオープンにすると直ぐに埋まってしまうほどになりました。
2人目メンバー・Nicoleと出会い、Senpaiコミュニティ誕生
当社が実施していたオンラインイベント「就活101」で出会ったNicoleをインターンとして採用し、当時はまだ岡山大学の学生だった彼女に「Senpaiコミュニティ」の立ち上げを任せました。彼女ともう1名のインターンManduは、600人に連絡し、50人のオリエンテーションを経て、最初の30人の「JPort Senpai」が誕生しました。
なんの形もない時から、ビジョンに共感いただきコミュニティ発足当初から支えてくれる、Mariyaさん、In Moさん、Gameさん、Aninさん、Adrianさん、Reikoさん、Clarkさんなどの多くのSenpaiの方々には感謝しかありません。今では、80人以上のSenpaiがコミュニティに参加し、大学で頑張る留学生の就職をJPortと一緒に支援しています。
その後、Nicoleはフルタイムメンバー2人目として入社し、Senpaiコミュニティの拡大・学生支援・コアメンバー採用と幅広く邁進しています。私の壮大なアイデアや無茶振りにも戸惑いながらも、心からビジョンに共感し「Global People」のために難しいことに直面しても、立ち向かう芯の強い人間です。
正直、「新卒」を2人目フルタイムメンバーとして入れることは考えてもいませんでしたが、NicoleがインターンとしてSenpaiコミュニティ立ち上げする姿を見て、数週間後に東京に呼び、大学3年生だったNicoleにオファーレターを渡しました。
創業してから採用に失敗したこともありますが、彼女を2人目フルタイムメンバーとして迎え入れたのは、最高の意思決定の一つです。詳しくは、3年目を迎えた彼女の記事をぜひ読んでみてください。メンバーが拡大・ビジネスも拡大していく中で、これからの彼女の成長が今から楽しみです!
企業向け新卒グローバル人材就活ナビ「JPort Match」リリース
2020年12月、新卒グローバル人材就活ナビ「JPort Match」のβ版をリリースしましたが、多くの失敗をしました。例えば、導入企業を増やすための価格設定が不適切で、結果的にカスタマーサクセスに繋がらなかったことや、新卒採用部門の選定スケジュールを理解しておらず、大手企業の予算確保に時間がかかることを見落としていました。また、B2Bマーケティング手法や展示会の重要性を十分認識していませんでした。
それでも、初期顧客との関係を築き、徐々にマッチング実績を積み重ねる中で、必要とされる企業や業界の特徴を明確化。おかげさまで、累計40社以上に導入いただくところまできています。まだまだこれからではありますが、大手企業のグローバル化や地方の優良企業の海外展開支援などさまざまなプロジェクトに貢献させていただいています。顧客企業の皆様にはプロダクトだけでなく、ユニークなコミュニティを高く評価いただいており、感謝をしてもしきれません。
今までの「JPort」をご評価いただく
国内最大級スタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD 2023 KYOTO」決勝進出
「スタートアップの登竜門」である国内最大級のピッチイベント「IVS 2023 LAUNCHPAD KYOTO」ファイナリストに選出され登壇する機会をいただきました。
SPeakとしては、初めてのピッチイベント・資金調達も始めるタイミングだったため、本気で準備をし、たくさんの方々に助けていただきました。Xiqiaoさん・Daisukeさんとの現状プレゼン改善から始まり、プレゼンの構成を何度も一緒に練っていただいたHeadline・河村さん、プレゼン練習に付き合ってくれたCirclebyANRIの皆さん、ユーザーミートアップではプレゼンをして真剣にアドバイスをくれた若手外国人材の皆さんなどたくさんの人たちに支えていただきました。詳しくは、こちらの記事で舞台裏をご覧ください。
👇実際のピッチ動画(6分)
「第8回 HRテクノロジー大賞」を受賞
経済産業省も協賛する「第8回 HRテクノロジー大賞」において、注目のスタートアップ部門で表彰をいただきました。過去の受賞者には、YOUTRUSTさんなどHR業界で評価の高いスタートアップもいます。
長年の留学生支援が実り、大学・教育機関から求められる存在に。
去年より、大学や教育機関の方々の間で「JPort」の就活コンテンツ・留学生の先輩コミュニティの認知度が飛躍的に上がり「JPortを必ず利用するように留学生に伝えています」「勝手にイントラにおすすめサイトで書きました」などと伺うことが格段と増えました。
大学の国際化のために、政策も留学生の就職促進には力を入れている中で、JETROや16校以上の有名大学とコラボレーションをさせていただいています。キャリアセンターの方々は、非常に熱心な方が多い一方、リソースやノウハウ不足に悩まれている方も多いです。
直近の資金調達について
2024年3月、プレシリーズAの資金調達を実施し、マイナビ、KDDI Open Innovation Fund 3号(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、三井住友海上キャピタル、ANRIを引受先とした第三者割当増資による資金調達を完了いたしました。累計調達金額は4億円以上となりました。今回の資金調達で、コアメンバー採用・キャリア事業のCユーザーおよびBユーザーの拡大・社会インフラへつながる開発に注力をしていきます。
フルタイム2名から4名体制へ
よく驚かれますが、直近の資金調達を終えた時点でフルタイムは私とNicoleの2人だけでした。今年の3月の資金調達を終えてから、積極的に採用活動を6月から開始しました。
そして、11月1日から新しいフルタイムメンバー2名を迎え入れ、4名体制となりました!新メンバー2名を紹介させてください。
Shogo Taguchi|田口 彰伍|営業責任者
Tsevelmaa Batnasan|バトナサン ツェベルマー|Community Marketer
これからの「JPort」
人材戦略:コアメンバー6名採用中!|フルタイム4名→10名へ。
当社の短期KPI、そして長期的なビジョン「グローバルなヒトがグローバルな会社・社会をつくる」を実現するために、5つのポジションで、6名のフルタイムメンバーを採用しています。英語が不要のポジションもあります。これからの「JPort」の事業戦略を支えるための少数精鋭チームを作っていきます。
事業戦略:キャリア事業の確立、導入実績加速〜強みを磨く
Bユーザーである企業の開拓を加速していきます。すでにターゲット企業のペルソナや言語化は終わり、今が拡大フェーズです。営業責任者のShogoもジョインし、営業組織の立ち上げを急いでいます。
Bユーザーの導入事例を増やすことは、留学生の就職率を上げることに繋がり、雇用の拡大・日本の企業のグローバル化に貢献することです。
短期的には、ターゲットとする企業の契約数を300社にします
長期的には、JPort Matchだけで、留学生の就職率35%を70%への引き上げ
年間 6,000名以上の雇用の創出 = 年間2,000社以上の導入が営業組織の長期的なKPIになります
今後、キャリア事業以外も展開していきますが、キャリア事業が当社の屋台骨であり続けます。
Cユーザーである留学生に対して、すでに「Senpaiコミュニティ」と「留学生にカスタマイズしたコンテンツ」で 0→1フェーズは終了しています。これをより持続的な成長にするために、強みを仕組み化をするフェーズに入っています。具体的な内容はここでは書きませんが、加速するためにコアメンバーの採用・強みの仕組み化・パートナーシップ連携が鍵になってきます。
短期的には、現在のJPort利用ユーザー数を 10,000名にする
長期的には、外国人留学生・海外大で日本語やITを学ぶ海外人材のシェアを100%にすることが学生支援組織の長期的なKPIになります
社会インフラ立ち上げ|JPort = Japan's Passport
2025年から、現在のキャリア事業のCユーザーの第1ターゲットである外国人留学生 26万人、そして 若手外国人材145万人、今後日本で働く可能性のある海外人材200万人が、日本で暮らす上での「3大課題(キャリア・金融・生活)」の根本解決の準備を始めていきます。
若手外国人材も日本のサービス提供会社も安心できる社会インフラを作っていきます。外国人人口は、2060年10%を超えると言われてます。「JPort」が「Japan's Passport = 日本でのパスポート」となります。
最後に… | 連絡先
私たちのビジョン
「Global People make Global Companies & Society」
「グローバルなヒトがグローバルな会社・社会をつくる」
よりインクルーシブな社会を作り、
日本をグローバル人材先進国にしていきましょう。
<採用しています!> 自分の仕事が、事業成長・社会課題の解決に直接つながるスタートアップで、一緒にボーダーレスな日本を実現しましょう。
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